環境

Environment

環境方針

ツガミグループは、サステナビリティが重要な経営課題であると認識しております。「創業以来培ってきた精密技術を基礎に市場ニーズを絶えず先取りし、新しい価値の創造を通じ、社会に貢献すること」という経営理念のもと、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、社会と共に持続的な成長を目指した取り組みを行っています。

ツガミグループは、気候変動問題及び環境課題への対応も重要な経営課題のひとつであると強く認識しています。パリ協定の枠組みや、日本政府が掲げた2050年までにCO₂排出量を実質ゼロにする目標のもと、持続可能な社会を実現する為に企業が果たすべき役割を認識し、ビジネスを通じてこの課題解決を実現することが、ツガミグループの持続的成長に繋がると考えます。

以下を環境方針として、「サステナビリティ委員会」が取り組みの企画、管理、運営を総括します。

基本方針

  • 気候変動が地球共通の重要課題であることを認識し、製品・サービスのライフサイクルの観点をもって、グループのあらゆる事業活動に由来する温室効果ガス排出量の継続的削減を行います。
  • 製品・サービスの全ライフサイクルにわたり環境への影響を配慮し環境負荷の低減に努めます。
  • 関連する環境法規制、その他の要求事項を遵守し、自主管理基準を設定し、環境汚染の未然防止に努めます。
  • 環境目的・目標・実施計画を設定し、継続的な改善を行うことにより環境への負荷を軽減し、環境と調和する事業活動を目指します。また、それらは必要に応じて見直します。
  • 環境教育や啓発活動を実施し、全従業員及び当社で働く全ての人への環境方針の理解と情報の周知をします。
  • 環境情報を社外に開示いたします。また地域や社会との交流を図り、環境保全活動に積極的に協力します。

環境への取り組み

国内生産拠点「長岡工場」の使用電力を100%再生可能エネルギー由来に切り替え

国内の生産拠点である長岡工場(新潟県長岡市)で使用する電力の全量を、2022年2月より、100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えました。
電力小売事業を手掛けるオリックス株式会社が供給する非化石証書付き再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたことにより、長岡工場における電力使用に係るCO₂排出量は実質ゼロとなりました。

※本取組みに伴う長岡工場におけるCO₂排出量削減実績:2022年度 2,225tCO₂、2023年度 2,094 tCO₂

これまで、長岡工場内の照明のLED化や空調設備の省エネ化などによる消費電力の削減、国内の生産拠点・営業拠点の統合等による効率的な体制の構築などに取り組み、国内事業で排出されるCO₂排出量を着実に削減しております。
今後も、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ設備等の導入・更新の継続、工場における生産技術革新の推進、生産効率向上を図る新製品開発などの取り組みを、強化加速して進めてまいります。

水使用量削減に向けて

安全な水資源の確保は、環境に関する重要課題の一つと認識しております。生産拠点を持つ企業の責務として、事業活動の中での水使用量、摂取量の削減に取り組み、水資源の有効活用に努めてまいります。

環境マネジメントシステム認証

国内で唯一の生産拠点である長岡工場(新潟県長岡市)において環境マネジメントシステム認証を取得しています。

  • 環境マネジメントシステムISO14001
    (ツガミ(単体)の生産拠点における取得状況 1/1拠点)

TCFD提言に基づく気候変動関連の情報開示

ツガミグループは、気候変動問題および環境課題への対応も重要な経営課題のひとつであると強く認識しており、気候変動が地球共通の重要課題であることを認識し、製品‧サービスのライフサイクルの観点をもって、グループのあらゆる事業活動に由来する温室効果ガス排出量の継続的削減を行うことを基本方針の1つとしています。
ツガミグループは、2022年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、当該提言に基づく気候関連情報を開示しております。

ガバナンス

ツガミグループは、サステナビリティが重要な経営課題であると認識しており、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会が中心となり、全社的な取組みを推進しています。
サステナビリティ委員会は、全社的なサステナビリティ推進戦略の立案とその進捗管理の役割を担っており、環境、社会およびガバナンスを総合的に管理・推進し、適切な情報開示を行っております。
また、サステナビリティを全社的に推進するため、社内におけるサステナビリティに関する問題意識の醸成や理解促進を図るべく、関連各部署と積極的なコミュニケーションを図りながら、事業とサステナビリティを結びつける取り組みを主導しています。
サステナビリティ委員会は、代表取締役を委員長とするメンバー構成で、気候変動への対応などを含めた経営判断にかかわるESG関連について審議し、審議事項が、取締役会等に報告される仕組みが確立されています。

推進体制

戦略

ツガミグループの主要な事業である精密工作機械の製造および販売において、気候変動が当社グループの事業に影響を及ぼすリスク(移行リスク・物理的リスク)と機会について検討を行い、重要なリスクと機会を抽出した上で、抽出したリスクと機会について、シナリオ分析を行いました。
シナリオは、①社会全体が脱炭素に向けて変革し気温の上昇を抑制する1.5℃/2℃シナリオと、②経済発展を優先し気温の上昇とその影響がさらに悪化する4℃シナリオの2つを採用し、それぞれのシナリオごとに、抽出したリスクと機会が当社グループの事業にどの程度の影響を及ぼすかについて評価、検討を行い、事業活動に与える財務への影響を「大」「中」「小」の3段階で評価しました。
シナリオ分析を実施することにより、当社グループにとっての気候関連の重要なリスク・機会およびそれらの影響を認識し、認識したリスク・機会への対応策を検討することで、将来の気候変動に基づくリスクを低減し、かつ機会の獲得を高め、持続可能でレジリエントな体制を目指します。

< シナリオの説明およびリスク・機会の要約 >

シナリオ
説明
1.5℃/2℃
  • パリ協定で定められた目標の達成に向け、世界で社会政策、排出規制や技術投資等が現在以上に進み、気温の上昇の抑制に成功し、脱炭素社会の実現に近づくという想定のシナリオ。
4℃
  • 世界で現状を上回る十分な温暖化対策がとられずCO₂排出が増大し、気温の上昇がさらに続き、その結果、気候災害による物理的リスクが大きく増大するという想定のシナリオ。
リスク
要約
1.5℃/2℃
  • 脱炭素社会の実現に向けて政府の規制強化が進み、規制対応として製造工程の脱炭素化への取り組みのため、再エネ導入拡大や製造設備の省エネ化等、製造コストが増加する可能性があります。
  • さらに、炭素税等の規制強化により調達先でも製造コストが増加し、原材料への価格転嫁が進み、調達価格が上昇する可能性があります。
4℃
  • 風水害の発生リスクが増加し、当社グループの生産拠点が被害を受け、資産の毀損や修繕が発生したり、生産停止となる可能性があるほか、物流網の寸断により、売上が減少する可能性があります。
機会
要約
1.5℃/2℃
  • 生産工程の省エネ化や、環境性能の高い工作機械を市場投入できた場合には、売上を拡大できる可能性があります。
  • 社会の脱炭素化による行動変容の一層の広まりにより、新製品の需要が高まり、売上を拡大できる可能性があります。
4℃
  • 災害レジリエンス強化のために、風水害を避けるための既存拠点の整備強化やBCP対策の強化等を進めることができた場合には、風水害が激甚化しても生産・供給体制を維持することができ売上の拡大および減少緩和ができる可能性があります。

<参照したシナリオ>
①1.5℃/2℃シナリオ
国際エネルギー機関(IEA)の、2050年の排出量ネットゼロからバックキャストしたシナリオ(Net Zero Emission by 2050 Scenario)および、2070年までにカーボンニュートラルを達成する持続可能な成長シナリオ(Sustainable Development Scenario)を参照し検討

②4℃シナリオ
IEAの、現状公表されている政策等に沿ったシナリオ(Stated Policies Scenario)や、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)によるRCP6.0やRCP8.5シナリオを参照し検討

< 主なリスク・機会要因に関する事業影響および対応策 >

区分 項目 財務への
影響評価
対応策
1.5/2℃ 4℃
リスク 移行
リスク
政策・
法規制
カーボンプライシング導入による各種コストの増加 ICP導入や製造方法の省エネ化
中国・インドでの規制が将来強化されるような場合に、何らかの対応を迫られる場合の各種コストの発生 製造方法や工程の省エネ・効率化の推進
技術 環境配慮型製品開発のための研究開発コストの増加 気候変動ニーズの調査とそれに基づく研究開発や迅速な対応
市場 気候変動に伴う顧客・取引先のニーズ変化での需要減少による売上収益の減少 気候変動ニーズの調査とそれに基づく研究開発や迅速な対応
火力発電の縮小や再エネへの代替、火力発電のための燃料費高騰によるエネルギーコストや生産コストの増加 製造方法や工程の省エネ・効率化の推進
評判 環境対応遅延による競争激化、顧客からの選別、レピュテーションの悪化による売上収益の減少、もしくは資金調達コストの増加 気候変動ニーズの調査とそれに基づく研究開発や迅速な対応
気候変動対応の情報開示強化
物理的
リスク
急性
リスク
自然災害激甚化での事業停止による売上収益の減少、もしくは各種コストの増加 調達・製造のBCP強化
慢性
リスク
平均気温上昇による各種コストの増加 光熱費の増加を抑えるような製造の省エネ化・効率化
機会 市場 積極的な気候変動対応でのレピュテーション向上による資金調達コストの低減 気候変動対応の情報開示強化
資源の
効率性
高効率工場での製造によるコストの削減や、省エネ推進によるコストの低減 製造方法や工程の省エネ・効率化の推進
製品・
サービス
リモートワークやペーパーレス等の行動変容の一層の広まりに伴う新たな機器の需要の増加による売上収益の増加 移行社会にあわせたニーズ調査と研究開発および生産・販売の最適化
低炭素社会に貢献可能な製品の需要増による売上収益の増加 移行社会にあわせたニーズ調査と研究開発および生産・販売の最適化
強靭性 災害レジリエンス強化により災害発生時の売上収入の減少緩和や増加、もしくは各種コストの減少 調達・製造のBCP強化

リスク管理

ツガミグループは、事業を取り巻く様々なリスクの顕在化の未然防止または、最小化のために、「リスク管理規程」および「リスク管理実施要領規程」に従い、適宜、リスク管理委員会を開催し、気候変動リスクを含む全社のリスクの状況把握、監視を行い、適切な対策を講じています。
気候変動リスクについては、他の事業リスクとともに重要課題と認識しており、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会が、全社的な気候変動に関するリスクをモニタリングし、サステナビリティ推進戦略の立案、進捗管理を行います。
また、気候変動に関連するリスクは、関連各部署からサステナビリティ委員会に報告される仕組みが確立されています。
その状況は、適宜、取締役会等に報告し協議を行うなど、全社的なリスク管理の強化にも取り組んでおります。

指標と目標

パリ協定の枠組みや、日本政府が掲げた2050年までにCO₂排出量を実質ゼロにする目標のもと、持続可能な社会を実現するために企業が果たすべき役割を認識し、ビジネスを通じてこの課題解決を実現することが、ツガミグループの持続的成長に繋がると考えます。地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出量削減のため、2050年カーボンニュートラル達成とそれに向けた中長期目標を新たに設定いたしました。気候変動への対応に向け、取り組みをさらに強化‧加速してまいります。

カーボンニュートラル2050年実現に向けた中長期目標設定

中期目標:
2030年CO₂排出量55%削減(2013年度比)
事業活動からのCO₂排出量(Scope1+Scope2)を55%削減

長期目標:
2050年カーボンニュートラル達成
事業活動からのCO₂排出量(Scope1+Scope2)実質ゼロ

その一環として、国内の生産拠点である長岡工場(新潟県長岡市)で使用する電力の全量を、2022年2月に100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えを行い、長岡工場における電力使用に係るCO₂排出量は実質ゼロとなりました。
今後も、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ設備等の導入‧更新の継続、工場における生産技術革新の推進、生産効率向上を図る新製品開発などの取り組みを、強化加速して進めてまいります。